>>目次へ

世界のエレクトロニクス業界を牽引するディスプレデバイスは、従来のCDT/CPT(ブラウン管)を始めLCD、PDP、有機ELそして新しいデバイスSEDが登場しています。これらのディスプレイデバイス市場の動向を見てみましょう。

第1図 ディスプレイデバイス世界市場予測

第1図はディスプレイデバイス(LCD、PDP、有機EL、CDT/CPTなど)トータルの世界市場規模を2010年まで予測したものです。

2004年のディスプレイデバイスの市場は、前年比19%増と前年に引き続き二桁成長の8.2兆円に拡大しました。約1.3兆円の増加で、CDT/CPTの落ち込みをLCDがカバーしました。

LCD業界では、2005年第1四半期にサムスンLCDの7Gラインが量産稼動し、LG.Philipsの7.5Gが2006年上期、シャープの8Gは2006年10月の稼動を計画しています。また、2004年後半に次世代ラインの延期を決めていた台湾のAUO、CMOの投資計画が復活しています。

一方で、セイコーエプソンと三洋電機の液晶事業統合によるSEID(三洋エプソンイメージングデバイス)や、FDTC(富士通ディスプレイテクノロジーズ)のシャープによる買収、IDTechのソニーへの譲渡(STMD=エスティ・モバイルディスプレイ)など、中小型LCDの事業強化を目的に事業統合や買収が行われています。

PDP業界では富士通の事実上の撤退、日立製作所と松下電器の協業、パイオニアのNEC買収があり、実際のプレーヤーは、松下・日立連合、パイオニア、サムソンSDI、LGの4社に再編されています。ディスプレイデバイス業界はスケールメリットによるコストダウン、大口顧客への長期供給、安定供給が重要であり、企業間の提携や統廃合は成長性の高さとコスト競争の厳しさの現れといえます。

2010年には、LCDが10.4兆円、PDPが1.1兆円、その他1.5兆円で、トータル13兆円の市場と予測されます。新規ディスプレイとして量産化が予定されているものとして、2006年第1四半期のSED(キヤノン+東芝)があります。

では個別の市場を見ていきましょう。

LCDは、2004年はPCモニタと携帯電話向けが拡大しました。モニタで5,500億円、携帯電話では4,400億円の増加です。モニタでは17/19インチが、携帯電話では海外の端末のカラー化率上昇が牽引しています。大型、中小型パネルともに単価下落が急速に進み、同時に需要が喚起されています。2005年は、数量ベースでは伸びるものの、金額ベースでの伸びは厳しい状況となるでしょう。

PDPは、TVセットの低価格化にともない需要が拡大しています。2004年は民生向け42インチが好調でした。PDP−TVメーカーにおいて需要を先取りする為の低価格戦略が行われています。韓国2社のシェアは数量で48.5%に達しました。今後は、TV向けが拡大していきますが、TV以外にボリュームの見込めるマーケットが無いともいえます。液晶TVとリアプロジェクションTVとの間で如何にコスト競争力を維持していくかが生命線となるでしょう。

有機EL(OLED)は、前年に引き続き、携帯電話サブディスプレイ向けが牽引しています。サムソン、モトローラ向けが多く、2004年はパネルメーカはSDIがトップ、2位がRiTdisplayで東北パイオニアは3位となりました。今後も、携帯電話サブパネル及びメインパネル向けを中心に伸びていくと予測されます。

TV用ブラウン管は2010年で6,260億円まで減少(2004年比で半減)していきます。一方、有機ELが2007年、FED/SEDが2009年、DLPが2009年に1,000億円市場になると予測され、時代の移り変わりを感じさせます。

家庭内の電化製品がネットワーク化され、インターフェースとしてのディスプレイデバイスは今後さまざまな機器に組み込まれ、用途はますます拡大していくと思われます。

参考資料: 『2005 液晶関連市場の現状と将来展望(上・下)』
執筆者:株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第一研究開発部門
株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第一研究開発部門
豊田、永澤、塩原、海野、天登、種田、佐々木


<<BACK | 目 次 | NEXT>>