2013/6/25 第133号 : 21世紀市場、ビジネス探索

LED照明市場のピークは? 世界的に拡大も国内頭打ち

 東日本大震災後に節電対策のひとつとして需要が急増したLED照明。既にベースライトまでLED化が進み、世界に先駆けて普及先進国となった日本では、市場は急拡大を遂げながらも徐々に陰りが見え始めつつあります。パナソニックはアジアでのLED照明販売の本格化を発表するなど、積極的な世界市場への展開が必要とされています。

 今回は、LED照明の世界市場と日本市場について紹介していきます。まずは、LED照明器具とLED管球ランプの世界市場です(第1図)。

第1図 LED照明器具・管球ランプ世界市場

 照明器具市場全体としては、2012年の5.4兆円から2020年には10兆円へ拡大し、その中のLEDの比率は2012年の2割弱から2020年には5割強となり、図のようにLED照明器具市場も拡大が予測されます。

 LED照明器具は、LEDパッケージはもちろん照明器具としても性能向上と低価格化が急速に進み、屋内間接・補助照明(ダウンライト、スポットライト、フットライト等)は白熱灯器具からの代替が進んでいます。また、先進国ではベースライトでの採用も始まりつつあり、新興国の中でも中国、東南アジア、インドなどで採用が増加しています。一方、それ以外の新興国では価格面から従来の電熱/放電灯照明器具の採用が続いています。

 管球ランプ市場全体としては、2012年の2.6兆円から2015年には3兆円に達するものの、LED普及によるランプの長寿命化でリプレイス需要が減少し2020年には2.9兆円になると予測されます。一方で、その中のLEDの比率は2012年の15%から2015年には32%、2020年は45%へと上昇する共に、図のようにLED管球ランプ市場の拡大が予測されます。
 LED管球ランプは、世界的な白熱ランプの販売規制を背景に、LED電球を中心に好調を続けています。ただ現状では白熱ランプからの代替の主流は、安価な電球形蛍光ランプのため、更なる性能向上と低価格化が必要とされ、それらの進展によってLED電球の普及が予想されます。
 この他、直管蛍光ランプを代替するLED蛍光灯やHID(キセノン)ランプを代替するLED管球ランプの普及も期待されます。LED蛍光灯は、 2013年に国際規格が制定される見通しで、LED電球同様コストメリットが訴求できる水準にまで製品性能が向上すれば、普及が加速するとみられます。また、HIDランプは水銀ランプが世界的な水銀使用規制により先進国を中心に代替が期待されます。

 次は国内市場です。LED照明器具(第2図)とLED管球ランプ(第3図)の市場です。

第2図 LED照明器具国内市場

 LED照明器具の市場は2011年、2012年と2倍近い拡大を続けています。好調の要因としては、ダウンライトやスポットライトなど間接・補助照明のLED化に加え、住宅用シーリングライトやオフィス・施設のベースライトなど主照明にまでLED化が進み始めたことが挙げられます。これにより2011年は金額、数量共に20%台だった照明器具市場におけるLEDの比率は、 2012年に40%台と大きく上昇しました。
 2013年以降もLEDの比率は高まり、2020年には金額ベースでは60%、数量ベースでは70%に上ると予測されます。ただ、市場としては低価格化などから数量ベースでは拡大が続くものの金額ベースでは縮小が予測されます。
 なお、照明器具市場全体としても、2012年の6,000億円から2015年には6,500億円に拡大するものの、2020年には5,600億円へ縮小すると予測されます。また、照明器具のリプレイスではLED照明器具の導入に伴う需要の先食いが見られており、数量ベースでも2020年には縮小に転じると見られます。

第3図 LED管球ランプ国内市場

 LED照明器具以上の急拡大を続けてきたLED管球ランプ市場ですが、徐々に拡大は緩やかになっています。性能向上によって電熱/放電ランプに代替し得る用途が拡大し、低価格化の進行と共にさらなる普及が予想されますが、リプレイススパンの長期化や急速すぎた低価格化などにより、2014年以降、数量ベースでは拡大が鈍化し、金額ベースでは縮小が予測されます。
 また、管球ランプ市場全体としては、金額ベースでは蛍光ランプ代替形やHID(キセノン)ランプ代替形など単価の高いLED管球ランプの貢献により拡大しており、 2012年の管球ランプ市場におけるLEDの比率は金額ベースで39%と10ポイント以上上昇しました。一方、数量ベースでは白熱ランプの減少などにより既に縮小が続いていますが、既存ランプを用いる器具のストックも多く、リプレイス需要も根強いため、LEDの比率は11%に留まっています。

 最後はLED直管ランプについてです(第4図)。現在LED直管ランプは、日本電球工業会が定めた工業会規格に準拠するJEL801とJEL802規格品、既存蛍光ランプの口金を用いたG13口金製品、その他独自の給電・口金を採用する製品が流通しており、どちらがLED蛍光灯の主流となるか注目されています。

第4図 LED直管ランプ国内市場

 2012年は既存の照明器具をそのまま使用できるG13・その他の製品が実績を伸ばしており、数量ベースで70%、金額ベースでも60%を占めます。一方、器具とセットで出荷されるJEL801規格品も、パナソニックや東芝ライテックの照明大手2社を筆頭に実績を拡大させています。
 JEL規格は2013年4月にJIS化され、G13口金からJEL801規格へ需要がシフトするとみられますが、安価かつ短時間で導入しやすいG13口金を望むユーザーも多いとみられ、今後の動向が注目されます。更に、光源と器具を一体化させた製品を投入する動きも見られ、器具一体型との競合も予想されます。

 この他、LED照明に並び消費電力が少なく次世代照明の一つとして注目される有機EL照明器具も、2014年〜2015年に市場が拡大しはじめ、2020年には世界で1.3兆円、その内国内で1,000億円が予測されます。
 また用途としても、一般照明以外に、デジタル機器ディスプレイや自動車分野などで従来の光源とLED光源、更には有機EL光源との競合が起こっており、今後様々なアプリケーションでの搭載が進んでいくと見られます。

参考資料:Special Appli.光源/照明市場 実態・技術・予測
 2013年版 上巻

調査編集:株式会社富士経済 大阪マーケティング本部 第三事業部