2013/6/25 第133号 : 中国マーケット情報

変革迫られる外食、旅行、輸入車販売産業…など

■変革迫られる外食、旅行、輸入車販売産業

―公費利用の厳格化で一般消費者向け市場開拓進む―

 一説には9,000億元とまでいわれる中央省庁、地方政府の職員による公費の利用は、習近平体制下で厳格化され、関連産業への影響が出ています。特に影響が大きいと見られるのが、「公費での飲食」「公費での出張旅行」「公用車の私用化」の「三公消費」です。

 中国国家統計局によると、2013年1〜4月の外食産業収入総額は、7,712億元に拡大したものの、伸び率は前年同期比で8.3%増と一桁台に留まりました。高級飲食店では「公費」を当て込むことができなくなり、一部の店舗を閉鎖する事態になっています。そのため、これまでの単価設定を改め低価格メニューの充実を図るチェーンや、レストランチェーンを買収することで一般消費者向け飲食店の展開を強化する企業が増えており、中国における飲食業界は、大手による企業買収や統合の流れが進んでいます。

 旅行産業でも、毎年旧正月前後に会議と称したバカンスを海南島三亜のリゾートホテルで過ごすのが定番でしたが、今年はキャンセルするケースが続出しました。また、公用車としても使用される高級輸入車の販売も影響を受け、税関統計によると2013年第1四半期の輸入車は22.9万台と前年同期比19.4%減となりました。

 かつて「三公消費」によって拡大したこれらの業界は、ビジネスモデルの変革に迫られています。しかし、一方で一般消費者をターゲットとした市場の開拓が進むと見られ、新たなビジネスチャンスとして期待されています。

“『中華工商時報』2013年6月18日の記事を北京凱美莱信息が解説”

■通信キャリア経由のスマホ販売拡大

―躍進するLenovoと敬遠する中国ローカルメーカー―

 5月23日、Lenovoは2013年第1四半期の中国におけるスマートフォンの販売数量が前年同期比3.6倍になったと発表しました。中国国内における同社のシェアは12%程度と見られ、Samsungに次いで国内シェア2位となりました。

 これまで、中国国内での携帯電話の販売は、端末販売と通信契約(SIMカード)が、独立して販売されていました。しかし3G化の流れとスマートフォンの登場をきっかけに、「定制机」と呼ばれる端末と通信契約をセットにした通信キャリア経由の販売比率が高まっています。Lenovoの端末販売は約6割が通信キャリア経由と見られ、「定制机」の増加がシェア拡大を後押ししています。

 一方、中国ローカルのスマートフォンメーカーの中には、「定制机」による通信キャリアの関与を嫌う動きも見られます。ユーザーインターフェースや動作性などの口コミ評価の高い魅族(MEIZU)は、中国移動(China Mobile)と定制机プロジェクトを進めていましたが、スマートフォンに通信キャリア独自のアプリやサービスをインストールする必要があるのはユーザーの利便性を損なうと判断し、プロジェクトも破談になっています。また、通信キャリアによって販売チャネルが提供され販売数量もある程度確約されるものの、納入価格が厳しく制限されることで利益が圧迫されるとの懸念もあるようです。

 2013年には「定制机」は1億台を超えると見られます。販売形態が変化したことで、端末メーカーの戦略の違いがどのように影響するか、今後が注目されます。

“『第一財経日報』2013年5月24日・6月17日の記事を北京凱美莱信息が解説”

■どこからでも24時間以内に商品配達

―通販大手アリババ集団物流網自前化へ一歩―

 通販大手の阿里巴巴(アリババ)集団と銀泰集団などが共同で通販の商品物流を担う菜鳥網絡科技有限公司(以下:菜鳥網絡)を設立しました。同社は「中国智能物流骨幹網(CSN;China Smart logistic Network)」の設置や全国への物流センターの建設などによって物流網を自前化し、中国国内200都市どのエリアにも24時間以内に商品配達を行うことを目標としています。

 菜鳥網絡のCSNだけでなく、競合他社も物流インフラの構築には力を入れています。京東(JD.COM)は、2009年から自社物流の展開を進め、2011年からは自社倉庫の構築を強化しています。現在主要5都市に6拠点の物流センターがあり、同社で注文した商品の大半が即日配達されるようになっています。また、易迅網でも2013年に全国をカバーする10拠点の倉庫建設を予定しています。

 中国における通販の物流ニーズは一日あたり2,500万件ですが、10年後には一日あたり2億件にまで拡大するといわれています。現在強化が図られている物流センター以外にも、最終的に「どこでも24時間以内配達」を実現するためには、航空便の利用、国家の郵政事業とのバランス、農村部のカバーなどが課題となると見られます。

“『第一財経日報』2013年5月29日の記事を北京凱美莱信息が解説”